デビアス・コンソリデーテッド・マインズ(英語表記)De Beers Consolidated Mines, Ltd.

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

デビアス・コンソリデーテッド・マインズ
De Beers Consolidated Mines, Ltd.

南アフリカ共和国の世界最大のダイヤモンド生産・供給会社。 C.ローズ (1853~1902) がロスチャイルド資本の支援で 1888年に設立。 19世紀末には世界のダイヤモンドの9割を産出したが,ローズの死後は一時低迷。 1926年にドイツ系ユダヤ人,E.オッペンハイマー (1880~1957) が役員として参加,1930年に会長に就任し,経営立て直しに尽力。その後の市場支配につながる,生産量を調整する「ダイヤモンド生産者組合 PDA」,生産物を買い上げ分類を行なう「ダイヤモンド貿易会社 DTC」,特定の業者だけに言い値で買い取らせる「中央販売機構 CSO」などを設立した。生産・流通量を調整することで,ダイヤモンド市場を自由に操った。またダイヤモンドの販売促進のため多額の宣伝費を投入。「ダイヤモンドは永遠に」のコピーは特に有名。しかし 20世紀末から,オーストラリアカナダロシアなど,デビアスの統制がきかない地域での生産量が増えたため,デビアスの影響力は徐々に低下してきた。このため,フランスの高級ブランド・酒造大手,LVMH (モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン) と合弁で装飾ダイヤの小売事業に乗り出すなど,変革を進めている。

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