デートン(英語表記)Dayton

改訂新版 世界大百科事典 「デートン」の意味・わかりやすい解説

デートン
Dayton

アメリカ合衆国オハイオ州南西部の都市。人口15万8873(2005),大都市域人口96万(1992)。オハイオ川の支流グレートマイアミ川に臨む。1796年に創設され,農業地帯に位置する河港として発展し,シンシナティトリードを結ぶマイアミ運河の完成によってその重要性を増した。発明家ライト兄弟の町として知られ,航空機研究の中心地であるほか,機械,化学などの工業立地する。1913年の大洪水をはじめとして,しばしば洪水に見舞われてきた。市名は,初期の入植者J.デートンにちなむ。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「デートン」の意味・わかりやすい解説

デートン
Dayton

アメリカ合衆国,オハイオ州南西部,シンシナティの北東にある都市。 1795年にインディアンのショーニー族との和平が成立して以後開拓が始り,1805年に町制施行。 28年シンシナシティとデートンを結ぶマイアミ=エリー運河開通により急速に発展し,41年に市制をしいた。 1903年にはライト兄弟がライト航空会社を設立したことによりこの町が航空の発祥地となった。 13年の大水害に刺激されて大規模な治水事業が行われ,22年に完成。デートン・プランは治水事業のモデルとなった。第2次世界大戦中に国立航空実験所が設立され,戦後ライト=パターソン空軍基地が建設されたことから,多くの航空関係の研究機関が集中している。自動車部品,冷蔵庫,コンピュータ,印刷などの工場が立地。市の内外にはデートン大学 (1850創立) ,ライト州立大学 (1967) ,デートン美術学校,空軍技術学校,航空博物館などがある。人口 14万1527(2010)。

デートン
Dayton, Jonathan

[生]1760.10.16. ニュージャージーエリザベス
[没]1824.10.9. ニュージャージー,エリザベス
アメリカの法律家,政治家,軍人。独立戦争中,大陸軍兵士として従軍 (1776~83) 。 1783年陸軍大尉となった。大陸会議代表 (87~89) となり,最も若い連邦憲法署名者となった。ニュージャージー選出連邦下院議員 (91~99) ,同議長 (95~99) 。連邦上院議員 (99~1805) 。 1807年に A.バーの陰謀の共犯者として起訴されたが,保釈されて事なきを得た。財産家で,北西部に広大な土地をもち,その地方にできたオハイオ州デートン市は彼の名前に由来する。

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百科事典マイペディア 「デートン」の意味・わかりやすい解説

デートン

米国,オハイオ州の工業都市。グレート・マイアミ川に臨む。自動車,工作機械,冷蔵庫などの製造が盛ん。空港がある。ライト兄弟が1892年に自動車修理工場を開き,飛行機の設計・製作に取り組んだ地として有名。14万1527人(2010)。

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