デビアスコンソリデーテッドマインズ会社(英語表記)De Beers Consolidated Mines Ltd.

改訂新版 世界大百科事典 の解説

デ・ビアス・コンソリデーテッド・マインズ[会社]
De Beers Consolidated Mines Ltd.

世界最大のダイヤモンド産出会社で,南アフリカ共和国およびザンビアで産出するすべてのダイヤモンドを優先的に支配する。本社,南ア共和国キンバリー。販売は同グループの中央販売機構Central Selling Organization(CSO)が担当し,世界のダイヤモンド市場の85%を支配している。1888年C.J.ローズのデ・ビアス・マインズ社とキンバリー・マインズ社の合併によりデ・ビアス・コンソリデーテッド・マインズ社が設立された。19世紀後半ダイヤモンドは乱掘状態にあったため,ローズロスチャイルドの資金援助を得て,生産の集中と寡占によって価格の安定を図ったのである。91年には全世界のダイヤモンドの90%に当たる南アフリカのダイヤモンドすべてを支配した。第1次大戦後オッペンハイマーErnest Oppenheimer(1880-1957)が経営に参加し,生産・販売における寡占化がさらにすすめられた。ダイヤモンドの原石はサイトsightと呼ばれる独特の方法により,1年に10回だけロンドンにおいてCSOの指名した約300人のディーラーだけに販売される。価格についてはCSOが絶対的な決定権をもっており,これによりダイヤモンドの価格の安定性が保証されている。2001年モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)社とデ・ビアス社は共同でデ・ビアスLV社を設立,デ・ビアスのブランドを管理することとなった。なお社名のDe Beersは1871年にキンバリーでダイヤモンドが発見された農地所有者名前である。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android