トアレ文化(読み)トアレぶんか(英語表記)Toale culture

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トアレ文化」の意味・わかりやすい解説

トアレ文化
トアレぶんか
Toale culture

インドネシア,スラウェシ島南西部の洞穴遺跡に発見される細石器文化。 20世紀初頭に P.サラジンが発見,その後多くの学者が調査を行なっている。 H.ヘーケレンは,凹基式石鏃,ムドク型骨製尖頭器,土器片などをもつ後期,石刃,幾何学型細石器を主とする中期,剥片石器などの前期に分類した。洞穴には手を壁面に当てて顔料を塗布した手の陰画やいのししの絵などの壁画が残るものが多く,この文化の属性の一つと考えられている。壁画やムドク尖頭器からオーストラリアのボンディ文化との関連が考えられる。著名な遺跡としてパンガンレアン,トデア,バトゥエジャヤ,ブルン,パタなどの洞穴がある。絶対年代,内部編年は判然としない。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android