トケイソウ(時計草)(読み)トケイソウ(英語表記)Passiflora caerulea; passionflower

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トケイソウ(時計草)」の意味・わかりやすい解説

トケイソウ(時計草)
トケイソウ
Passiflora caerulea; passionflower

トケイソウ科の常緑多年生のつる植物。ブラジル原産で,日本には享保年間 (1716~36) に伝えられたという。茎はつる状で約 4mに達し,分枝しない巻きひげで他物にからみつきながら伸びる。葉は互生し,掌状に5深裂して全縁,葉柄の基部には大きな托葉が目立つ。夏に,葉腋に柄のある大型の花をつける。花被片は 10枚で平らに開き,外側の5枚が萼片,内側の5枚が花弁である。花弁の色は淡紅または淡青色で花被の内側に多数の糸状の副花冠があり科の特徴とされる。花の形を時計の文字盤に見立てて時計草といい,観賞用に温室で栽培する。やはりブラジル原産の同属の近縁種にクダモノトケイソウ P. edulisがあり,果実生食やジュース用 (パッションジュース) にするため熱帯各地で栽培される。日本でも南西諸島でつくっている。この種は葉が3裂し,副花冠が花被と同じくらい長く,紅紫色斑点のある長さ 10cmほどの果実をつける。

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