トナンス(読み)となんす

世界大百科事典(旧版)内のトナンスの言及

【ユピテル】より

…その名はDieu pater(〈父なるディエウス〉の意)がつづまったもので,本来は,ゼウスと同じく,インド・ヨーロッパ語系諸族の天空神であるが,そこから進んでさまざまの気象現象をつかさどる神,さらには人間世界の動向をも定める神となり,ついには国家としてのローマの命運を支配する最高神として崇拝を集めるに至った。 気象の神としては,ルケティウスLucetius(〈光をもたらす者〉),プルウィアリスPluvialis(〈雨を降らせる者〉),トナンスTonans(〈雷をとどろかす者〉),フルグラトルFulgrator(〈稲妻を放つ者〉)などの名があり,光明神としての彼は,毎月のほぼ中日にあたるイドゥスIdusの日に,カピトリヌス丘の〈砦Arx〉と呼ばれる高みで,彼の神官フラメン・ディアリスflamen Dialisにより白い羊を犠牲に供された。これは,夜でも天の光が最も強い満月の日にこの神をあがめた古い風習のなごりと思われる。…

※「トナンス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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