トビイロカゲロウ(読み)とびいろかげろう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トビイロカゲロウ」の意味・わかりやすい解説

トビイロカゲロウ
とびいろかげろう / 鳶色蜉蝣

昆虫綱カゲロウ目トビイロカゲロウ科Leptophlebiidaeの昆虫の総称前翅(ぜんし)の中脈は明らかに分岐し、後翅の中脈と肘脈(ちゅうみゃく)の間には遊離した間脈をもたない。幼虫えらは七対で羽毛状になることはなく、複眼頭部側方につき、3本の尾のうち外方の2本には内外両側に細毛を列生する。日本産のものは5種以上がいるとみられているが、幼虫の知られているものはナミトビイロカゲロウParaleptophlebia chocorataとトゲトビイロカゲロウP. spinosaの2種だけである。両種とも本州中部の山地渓流に普通で、前者平地の流れにもいる。

[山崎柄根]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のトビイロカゲロウの言及

【カゲロウ】より

…渓流や流水中で生活するグループには,流水に適応した扁平な体型をもち,急流中の石の面上に取り付いて生活するヒラタカゲロウやタニガワカゲロウ。また,魚のような紡錘形の体で,水中の石の間を巧みに遊泳するグループには,チラカゲロウ,フタオカゲロウ,コカゲロウ,トビイロカゲロウなどがある。ふちや川岸に近い静水中の樹枝片や落葉,石間のごみの中や石のくぼみには,体にとげが多く,行動はのろのろしているマダラカゲロウが生息する。…

※「トビイロカゲロウ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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