トラキア語(読み)トラキアご(英語表記)Thracian

翻訳|Thracian

改訂新版 世界大百科事典 「トラキア語」の意味・わかりやすい解説

トラキア語 (トラキアご)
Thracian

インド・ヨーロッパ語族に属するとされる言語古代トラキアとよばれた地は,バルカン小アジアを結ぶ重要な地域であったが,そこからは研究に十分な資料碑文文学もみられない。ただわずかにブルガリアのエゼレボで1912年に発見された金の輪にイオニアアルファベット(イオニア式ギリシア文字)で刻まれた銘文と,第2次世界大戦後にケルメンその他から出土したいくつかの碑文があるにすぎない。それらの読みと内容の理解については,研究上の完全な一致を得られていないが,古代作家の残したこの地域の固有名詞とともに判断して,その言語はインド・ヨーロッパ語族の一つに数えられている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トラキア語」の意味・わかりやすい解説

トラキア語
トラキアご
Thracian language

古代にトラキアで話されていた,インド=ヨーロッパ語族に属する一言語。古期フリュギア語と近い関係にあるとみられる。文献は前6世紀までさかのぼるが,ごく少い。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android