トラスカラ州(読み)トラスカラ(英語表記)Tlaxcala

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トラスカラ州」の意味・わかりやすい解説

トラスカラ〔州〕
トラスカラ
Tlaxcala

メキシコ中部内陸の州。州都トラスカラ。メキシコ最小の州で,メキシコ高原南東端部に位置する。平均標高約 2100mの高所にあるため,気候は冷涼で,快適。かつてインディオのトラスカラ族の勢力下にあった土地とほぼ一致する地域で,トラスカラ族はアステカ帝国の支配に服することを拒み,スペインのメキシコ征服 (1519~21) に際して H.コルテス同盟,その後もスペインへの忠誠を維持したため,植民地時代には多くの特権を与えられた。現在主産業は農業で,穀物の栽培が中心。ほかにマゲイ (リュウゼツランの一種) から醸造するプルケ酒を特産し,インディオによるサラペ (肩掛けなどにする織物) や毛織物などの民芸品の生産が盛ん。メキシコ市とメキシコ湾岸の主要港ベラクルスを結ぶ鉄道,道路が州を横断する。面積 4016km2。人口 76万 3683 (1990推計) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android