化学辞典 第2版 「トリクロロシラン」の解説
トリクロロシラン
トリクロロシラン
trichlorosilane
SiHCl3(135.45).シリコクロロホルムともいう.Siと乾いたHClとの反応や,SiH4とHClとをAlCl3触媒下で反応させると得られる.無色の流動性のある液体.正四面体型のSiHCl3分子が存在する.密度1.34 g cm-3.Si-Cl約2.02 Å,Si-H約1.47 Å.融点-126.5 ℃,沸点31.8 ℃.空気中で発煙する.蒸気と空気の混合気体は爆発性がある.有機溶媒(ベンゼン,二硫化炭素,四塩化炭素,クロロホルムなど)に可溶.水で加水分解する.第三級アミンとの混合物はポリハロゲン化合物や,芳香族カルボン酸を還元する.触媒の存在下で,オレフィンやアセチレンに付加する.半導体用高純度ケイ素の製造原料や,有機ケイ素化合物の合成原料に用いられる.有毒.[CAS 10025-78-2]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報