トレオン(英語表記)Torreón

デジタル大辞泉 「トレオン」の意味・読み・例文・類語

トレオン(Torreón)

メキシコ中北部、コアウイラ州都市。ナサス川沿いに位置する。北西郊のゴメスパラシオとともに同一都市圏を形成周辺灌漑かんがい農業による綿花栽培が盛ん。付近には銀・銅・亜鉛などを産する鉱山が多い。

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改訂新版 世界大百科事典 「トレオン」の意味・わかりやすい解説

トレオン
Torreón

メキシコ北部,コアウイラ州南西部のナサス川東岸に位置する都市。標高1100m。隣接するドゥランゴ州のゴメス・パラシオ,レルドとともに,同国の代表的な農業地域ラグナLa Lagunaの中核都市として発達。大都市域人口108万2616(2003)。19世紀末に建設されたが,灌漑農業による綿花栽培地域の拡大が,この地を乾燥地帯におけるオアシスに変えた。この発展メキシコ革命による農地改革の結果創設された共同体的農業組織エヒードによるところが大きく,メキシコ社会変革の社会的実験場として内外において注目をひいた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トレオン」の意味・わかりやすい解説

トレオン
Torreón

メキシコ北部,コアウイラ州南西部の都市。同州最大の都市で,グアダラハラの北約 550km,メキシコ高原中部にあり,ナサス川にのぞむ。対岸にはドゥランゴ州の町ゴメスパラシオがある。 1893年建設され,1936年ラグナ地区と呼ばれる灌漑農業地帯が設置されてから,その中心地として発展しはじめた。現在同地区に産する綿花,小麦家畜乳製品などを集散,加工するほか,製鉄業が立地し,メキシコ北部の重要な工業都市となっている。また鉱業中心地でもあり,近くに銀,亜鉛,銅,鉛などの鉱山がある。アメリカ合衆国との国境の町シウダードフアレスとメキシコ市のほぼ中間にある交通の要地で,幹線道路,鉄道の分岐点となっている。人口 45万 9809 (1990推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「トレオン」の意味・わかりやすい解説

トレオン
とれおん
Torreón

メキシコ中北部、コアウイラ州の工業都市。ナサス川に臨み、西に隣接するドゥランゴ州との境界に近い標高1140メートルの地にある。人口50万2964(2000)。ナサス川を挟んでドゥランゴ州側にゴメス・パラシオとシウダー・レルドの2市がある。両市を含む一帯はラグーナ地方とよばれ、大規模な灌漑(かんがい)事業による綿花栽培地帯である。また付近には金、銅などの鉱山が多い。トレオンはこれら農業・鉱業地帯の中心都市で、とくに灌漑事業の進行に伴って発展した。繊維、製粉、金属などの工業が発達する。

[高木秀樹]

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百科事典マイペディア 「トレオン」の意味・わかりやすい解説

トレオン

メキシコ北部,コアウイラ州の都市。標高1150mの高原に1887年鉄道の町として建設。メキシコ革命の農地改革によって発展した綿花,小麦などの農業地域ラグナの中心地。鉱業,精錬業が行われる。60万8836人(2010)。

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