世界大百科事典(旧版)内のトロプシュ,H.の言及
【石炭化学工業】より
…戦後は,ベンゼン生産の連続化が図られ生産性が向上し,生産量も鉄鋼生産の増加とともに増えたが,しだいに石油化学工業で生産されるベンゼンに圧倒されるようになり,石炭ガスからのベンゼンは全供給の10%以下にとどまっている。 石炭をガス化して化学製品を得る研究は,1921年ドイツのF.フィッシャーとトロプシュHans Tropsch(1889‐1935)によって始められ34年にはドイツに石炭を原料とする液体燃料工場が完成し,大戦中には日本でも生産されていた。戦後では,南アフリカでガソリンを生産するプラントが50年に建設されている。…
【フィッシャー】より
…1911年シャルロッテンブルク工業大学教授となり,13年ルール地方のカイザー・ウィルヘルム協会の石炭研究所長に就任した。23年トロプシュHans Tropsch(1889‐1935)とともに,一酸化炭素と水素とから常圧の下で炭化水素を合成する,いわゆるフィッシャー・トロプシュ合成法に成功し,26年にこれを発表した。この合成法は〈フィッシャー法〉とも呼ばれ,とくに,第2次大戦前後にドイツ,日本,フランスなどで工業化され,人造石油工業の一環として石炭からの液体燃料の製造に重要な役割を果たした。…
【フィッシャー合成】より
…一酸化炭素の水素化反応によって液体の炭化水素燃料を合成する方法。1920年代の初め,ドイツのF.フィッシャーとトロプシュHans Tropsch(1889‐1935)によって発明されたので,F‐T合成法(フィッシャー=トロプシュ法)とも呼ばれる。石炭をガス化して一酸化炭素と水素からなる合成ガスに変えたのち,この方法で液体燃料を合成することができるので,石炭の間接液化法として位置づけることができる。…
※「トロプシュ,H.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」