ドイツ国家人民党(読み)ドイツこっかじんみんとう(英語表記)Deutschnationale Volkspartei

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドイツ国家人民党」の意味・わかりやすい解説

ドイツ国家人民党
ドイツこっかじんみんとう
Deutschnationale Volkspartei

国粋人民党あるいは国権党とも訳されている。 1918年 11月に結成されたドイツの超反動的政党保守党を中心に穏健な保守主義者,極右派,キリスト教社会主義者,反ユダヤ主義者,汎ゲルマン主義者,中央党や国民自由党からの脱党者といったさまざまな思想傾向を含んでいた。しかしまもなく,急進派穏健派とに分裂前者共和制を完全に否定して現存国家秩序を打倒しようと考えたが,後者は原則的には共和制に反対であるが,偏狭な態度をとらず,現実に即して行動しようとした。連立政権に参加したのは後者のグループであった。しかし 28年に A.フーゲンベルクを指導者に戴くにいたって,反共和制的態度を明確にし,A.ヒトラーと連立政権をつくって共和制打倒に活躍した。 33年の授権法制定後は解党した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ国家人民党」の意味・わかりやすい解説

ドイツ国家人民党
どいつこっかじんみんとう
Deutschnationale Volkspartei ドイツ語

ワイマール共和国の右翼政党。1918年11月、帝政期のドイツ保守党帝国党、反ユダヤ主義政党などが結集して創設した政党。農業界、官僚、プロテスタント系団体、都市中間層を基盤とした。共和国に対する原理的反対と帝制への復帰を目標として、共和国支持派や政府の外交政策などを攻撃して現状不満派を集め、24年には国会第一党になったこともある。28年フーゲンベルクが党首となると共和制の破壊を目ざす路線をとり、33年1月ヒトラー政権成立の際には連立与党として参加したが、6月に解散させられた。

[木村靖二]

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旺文社世界史事典 三訂版 「ドイツ国家人民党」の解説

ドイツ国家人民党
ドイツこっかじんみんとう
Deutschnationale Volkspartei

ヴァイマル共和国時代(1919〜33)の政党。国権党ともいう
ドイツ帝国時代の保守党が,ヴァイマル期に旧国民自由党右派をもあわせて右翼政党として発足し,帝政復活などを唱えた。ユンカー一部の大資本家を基盤としたが,1933年ヒトラー政権に参加し,同年ナチスに吸収された。

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