ドウィンガー(英語表記)Edwin Erich Dwinger

改訂新版 世界大百科事典 「ドウィンガー」の意味・わかりやすい解説

ドウィンガー
Edwin Erich Dwinger
生没年:1898-1981

ドイツ作家軍人の子としてキールに生まれる。第1次大戦に少年志願兵として従軍しロシア軍の捕虜となるが,十月革命後の内戦に際して脱出し,白軍に加わる。1921年帰国して作家となる。《鉄条網のうしろの軍隊》(1929),《白と赤の間で》(1930),《われらドイツの名を呼ぶ》(1932)の三部作《ドイツの受難》をはじめ,反共的・国粋主義的な多くの作品を書いた。ナチス党員となり,第三帝国の文芸会員をつとめた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドウィンガー」の意味・わかりやすい解説

ドウィンガー
どうぃんがー
Edwin Erich Dwinger
(1898―1981)

ドイツの作家。キールに生まれる。第一次世界大戦に従軍、1915年重傷を負ってロシア軍捕虜となり、シベリアに抑留されるが、脱走した。白軍(反革命軍)に加わり戦ったのち1921年に帰還。その体験を描く三部作『ドイツの受難』――『鉄条網の背後の軍隊』(副題『シベリア日記』1929)、『白と赤の間』(1930)、『われらドイツを呼ぶ』(1932)――によって、ナチスを代表する作家の1人とされる。

[関 楠生]

『滝崎安之助訳『シベリア日記』(1940・弘文堂)』『藤本直秀訳『白と赤の日記』(1940・弘文堂)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドウィンガー」の意味・わかりやすい解説

ドウィンガー
Dwinger, Edwin Erich

[生]1898.4.23. キール
[没]1981.12.17. フィッシャー
ドイツの作家。第1次世界大戦でロシア軍の捕虜となり,シベリアに送られた。脱走後反革命軍に参加。『白と赤のはざま』 Zwischen Weiss und Rot (1930) などでその体験を扱った。その後ナチス的傾向を強め,第2次世界大戦中は従軍記者をつとめた。戦後,一時発表を禁じられた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android