ドセ川(読み)ドセがわ(英語表記)Rio Doce

改訂新版 世界大百科事典 「ドセ川」の意味・わかりやすい解説

ドセ[川]
Rio Doce

ブラジル南東部のミナス・ジェライス州とエスピリト・サント州を流れる,ブラジルでは中規模の川。全長約580km。ミナス・ジェライス州のエスピニャソ山脈南東部に源を発して鉱物資源の豊富な地域を北流し,ゴベルナドル・バラダレス市近くで東へ流れを変え,エスピリト・サント州の中央部を通ってビトリアの北約100kmの所で大西洋に流入する。1942年ブラジル政府は,この地域の鉱物資源を開発するためにドセ河谷開発公社を創設し,さらに,この川沿いにビトリア・ミナス鉄道を創立して鉄鉱石輸送を行い,それらをツバロン港から輸出している。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ドセ川」の意味・わかりやすい解説

ドセ川
ドセがわ
Rio Doce

ブラジル南東部を流れる川。ミナスジェライス州南東部,エスピニャソ山脈南部東斜面に発するカルモ川とピランガ川が合流してドセ川となり,初め北東流,ゴベルナドルバラダレスで南東へ流れを転じ,エスピリトサント州に入ったのちコラティナ付近から海岸平野を東流,ビトリアの北東約 100kmの地点で大西洋に注ぐ。全長約 580km。下流部沿岸には湿地帯や潟湖が多い。中流部から上流部にかけては,流路に沿ってベロオリゾンテとビトリアを結ぶ鉄道が通り,イタビラの鉄鉱石を中心とする流域の豊かな鉱産物を搬出している。また連邦政府により,鉱業開発だけでなく流域の総合開発が進められている。

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世界大百科事典(旧版)内のドセ川の言及

【エスピリト・サント[州]】より

…州の西縁にカパラオ山脈Serra do Caparaóが走り,2890mのバンデイラ山があり,国立公園となっている。この山脈を横切って大西洋に流入するドセ川の流域には世界的な鉄鉱石の産地イタビラをはじめ,鉄鉱山が多く,鉄鉱石はビトリアまで鉄道で運ばれて輸出される。ドセ川の流域は鉄鉱開発,輸送,発電,工業化を目的にしたドセ川開発計画が政府の手によって行われている。…

※「ドセ川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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