ド・デューブ(英語表記)de Duve, Christian Rene

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ド・デューブ」の意味・わかりやすい解説

ド・デューブ
de Duve, Christian Rene

[生]1917.10.2. イギリス,テムズディットン
[没]2013.5.4. ベルギー,ネイサン
ベルギーの細胞学者,生化学者。ベルギーのルーバン大学で学び,1941年修士号,1946年化学の博士号を取得。1947年同大学教授,1962年からはアメリカ合衆国のロックフェラー大学教授を兼務。1985年ルーバン大学,1988年ロックフェラー大学の名誉教授になった。1950年代に,インスリンの肝臓組織での働きを研究中,酵素による細胞組織の分解が低下する現象を発見。酵素が膜状の細胞器官に包まれたためとする説を発表し,細胞内消化にかかわるこの細胞器官をリソソームと命名した。アルベールクロードが開発した細胞内構造物の分離技術をさらに発展させ,電子顕微鏡でリソソームを確認,過酸化水素などの代謝にかかわる細胞器官のペルオキシソーム(→ミクロボディ)も発見した。1974年,クロード,ジョージ・E.パラーディとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。同 1974年,細胞・分子病理学の国際研究所を設立,同研究所は 1997年にクリスチャン・ド・デューブ細胞病理学研究所と改名された。

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