ドモアブル

精選版 日本国語大辞典 「ドモアブル」の意味・読み・例文・類語

ド‐モアブル

(Abraham de Moivre アブラアム━) フランス数学者。一八歳のときロンドン移住。王立協会会員。複素数に関する「ド‐モアブル定理」を発見。(一六六七‐一七五四

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改訂新版 世界大百科事典 「ドモアブル」の意味・わかりやすい解説

ド・モアブル
Abraham de Moivre
生没年:1667-1754

フランスの数学者。はじめはおもに古典文学の教育をうけたが,まもなく数学の才能を発揮し,C.ホイヘンスの偶然ゲームの理論に影響されて,数学,とくに確率論への道を歩むこととなった。ソルボンヌで数学,物理学を学んだ後,宗教上の理由で1688年ロンドンに移住した。しばらくは不遇であったが,97年にはローヤル・ソサエティフェローとなった。この間I.ニュートンとの親交は,数学者として大成するのに大いに役だった。彼は,今日スターリングの公式と呼ばれるnが大きいときn!の近似値を与える公式を,定数を除いて確定し,さらに,ベルヌーイ試行,すなわち二項分布が現れる場合の中心極限定理を導いた。これは今日ド・モアブル=ラプラスの定理と呼ばれている。ド・モアブルの定理(公式)と呼ばれる式は,複素数と三角関数を結ぶ基本公式として有名である。
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