ナイスタチン

化学辞典 第2版 「ナイスタチン」の解説

ナイスタチン
ナイスタチン
nystatin

C47H75NO17(926.11).Streptomyces nourseiやその他の放線菌培養液から単離されるポリエン系抗生物質.白色淡黄色結晶.160 ℃ から徐々に,250 ℃ までに分解する.+21°(ピリジン).λmax 290,307,322 nm(エタノール).水,エタノールに難溶,DMFに可溶.熱,光,空気に不安定である.酸,アルカリにより分解される.抗真菌剤消化管カンジダ症治療薬として使用される.LD50 > 9000 mg/kg(マウス経口).[CAS 1400-61-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナイスタチン」の意味・わかりやすい解説

ナイスタチン
nystatin

マイコスタチンともいう。真菌症治療用抗生物質である。クリプトコッカス,ヒストプラスマ,ブラストマイセスなどに対し,1.5~6.5 μg/ml効力を示す。耐薬性通常みられない。消化管,皮膚粘膜から吸収されないので,局所に適用する。経口投与では,副作用として胃腸障害,過敏症状がみられることがある。

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世界大百科事典(旧版)内のナイスタチンの言及

【抗生物質】より

…耐性機構に基づいて有効な物質を得る方法論を築いたといえる。 抗カビ抗生物質としては,ナイスタチン(1950),トリコマイシン(1951)などをはじめとして,いくつもの抗生物質が見いだされているが,毒性が高く,ほとんどが外用に限られる。抗ウイルス抗生物質も探索されているが,まだ有効なものは見いだされていない。…

※「ナイスタチン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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