ナギービン(英語表記)Nagibin, Yurii Markovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナギービン」の意味・わかりやすい解説

ナギービン
Nagibin, Yurii Markovich

[生]1920.4.3. モスクワ
[没]1994.6.17.
ソ連の作家。映画大学で学んだ。 1943~45年『トルード』紙の従軍記者をつとめた。短編集『戦線からの人間』 Chelovek s fronta (1943) ,『大きな心』 Bol'shoe serdtse (44) では兵士たちの心理を通じて戦争を描いた。自然描写にすぐれ,日常生活の何気ないテーマを扱った中短編が多い。『バンビ』 Bembi (57) ,『追求』 Pogonya (63) ,『トルブニコフの生涯の一時期』 Stranitsy zhizni Trubnikova (63) などがある。また 30本近い映画シナリオを書いた脚本家としても知られ,代表作に黒沢明監督作品『デルス・ウザーラ』 Derus Uzala (75) などがある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナギービン」の意味・わかりやすい解説

ナギービン
なぎーびん
Юрий Маркович Нагибин/Yuriy Markovich Nagibin
(1920―1994)

ソ連の小説家。モスクワに生まれる。国立映画大学シナリオ科に学ぶ。1943年に前線負傷、その後『労働(トルード)』紙の従軍記者になる。主として短編、中編を書き、ごく平凡な人間の感情生活を叙情的な筆致で描いている。作品集に『冬の樫(かし)』(1955)、『早春』(1963)、『遠いものと近いもの』(1965)などがあり、数多くのシナリオも書いている。

[中本信幸]

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