ナジュド(英語表記)Najd

改訂新版 世界大百科事典 「ナジュド」の意味・わかりやすい解説

ナジュド
Najd

アラビア半島中部の高原地帯。ネジドNejdとよばれることもある。西はヒジャーズ山系,東はダフナー砂漠,南はルブー・アルハーリー砂漠,北はナフード砂漠に囲まれる。面積約400万km2。夏は酷暑で乾燥し,冬はかなり涼しく若干の降雨がある。3本の水脈が南西から北東に流れる。ルンマ・ワーディーはダフナー砂漠で消えたのち,同砂漠の東側でバーティン・ワーディーWādī al-Bāṭinとなってイラクに達する。スーラ・ワーディーはハニーファ・ワーディーと合流,サフバー・ワーディーとなってペルシア湾に流れ込む。ダワシール・ワーディーはルブー・アルハーリー砂漠に達して消える。ナジュドは,サウジアラビアの建国者サウード家出身地であり,首都リヤード北西のダルイーヤal-Dar`īya(ディルイーヤal-Dir`īya)は15世紀にサウード家の祖先が定住した旧都である。またハニーファ・ワーディー上流のウヤイナal-`Uyaynaで生まれたムハンマド・ブン・アブド・アルワッハーブは,ワッハーブ派を発展させて建国の精神的主柱となった。リヤード北方700kmのハーイルḤā'ilラシード家とサウード家の協力抗争も有名である。現在も住民多くベドウィンで,羊を追う生活をつづけている。
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百科事典マイペディア 「ナジュド」の意味・わかりやすい解説

ナジュド

サウジアラビア中央部の地方。約400万km2。主要都市は首都リヤドブライダなど。ほとんど全域が砂漠で,標高800〜1600mの高原をなし,デーツ穀類などのオアシス農業が行われ,牧畜が盛ん。サウジアラビアの建国者サウード家の出身地。1927年ヒジャーズとともにサウジアラビア王国形成
→関連項目アラビア半島サウジアラビアフサイン

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