ナゾル(英語表記)Vladimir Nazor

改訂新版 世界大百科事典 「ナゾル」の意味・わかりやすい解説

ナゾル
Vladimir Nazor
生没年:1876-1949

ユーゴスラビアの文学者。クロアチア人。ブラチュ島の生れ。グラーツ大学で自然科学を修め,中学教師として海岸地方を転々とした。叙事詩スラブ伝説》(1900),イストリア半島の伝説に基づいた小説《巨人ヨジェ》(1908)で文名を確立。翻訳も含めて旺盛な文学活動を行い,祖国戦場となるや老体をおしてパルチザン部隊に入り,多くの人々を感動させた。解放後はクロアチア議会幹部会議長などを歴任した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のナゾルの言及

【ユーゴスラビア】より

…彼は戦前ツェサレツAugust Cesarec(1893-1941)らと雑誌を通じて革命運動を推進し,あらゆるジャンルで多彩な才能を発揮した。またナゾルとコバチッチIvan Goran Kovačić(1913-43)はパルチザン戦争に身を投じて自己改革を行ったユニークな詩人である。戦前のベオグラードでは,詩人ツルニャンスキダビチョらが表現主義から超現実主義風の作品を発表する一方,ヌシッチは風刺で現実を笑殺した。…

※「ナゾル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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