ナデージジン(英語表記)Nadezhdin, Nikolai Ivanovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナデージジン」の意味・わかりやすい解説

ナデージジン
Nadezhdin, Nikolai Ivanovich

[生]1804.10.17. リャザン,ニジニーベロオムト
[没]1856.1.23. ペテルブルグ
ロシアの評論家,歴史家,民俗学者。リャザンとモスクワの神学校で学び,1828年から文芸批評を開始し,学位論文ロマン主義と呼ばれる詩の起源,本質,運命』 De origine,natura et fatis poëseos,que romantica audit (1830) で注目され,ペテルブルグ大学教授 (31~35) となった。 31年『テレスコープ』 Teleskop誌を創刊,36年 P.チャーダーエフの『哲学書簡』を掲載したため流刑となり,翌年帰還後は反動的な地位を占めるようになったが,歴史,地理考古学,民俗学の領域で活躍した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ナデージジン」の意味・わかりやすい解説

ナデージジン
なでーじじん
Николай Иванович Надеждин/Nikolay Ivanovich Nadezhdin
(1804―1856)

ロシアの批評家、ジャーナリスト、歴史家。モスクワ大学美学を講じる。古典主義、ロマンチシズム両者の偏向性を克服した新しい総合的な芸術を主張印象批評に終始していたロシア文芸評論の分野に理論と方法を初めて導入。主宰する『望遠鏡』誌にチャダーエフの『哲学書簡』を掲載した(1836)ため発禁処分になり、自らは2年間の流刑。その後は民俗学、考古学の研究に専念。「ロシア地理学協会」創設(1848)以来の会員で、その機関誌『地理学紀要』の編纂(へんさん)に携わった。

[藤家壯一]

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