ナナカマド(七竈)(読み)ナナカマド(英語表記)Sorbus commixta; mountain ash

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナナカマド(七竈)」の意味・わかりやすい解説

ナナカマド(七竈)
ナナカマド
Sorbus commixta; mountain ash

バラ科の落葉小高木。日本全土の山地にみられ,高さ 10mに達する。樹皮は帯灰暗褐色,細い皮目がある。枝は紫紅色で光沢がある。葉は互生し,9~15の小葉から成る奇数羽状複葉で長さ 20cmほどになる。小葉は長さ3~7cmで鋭尖頭長楕円形,縁に鋸歯がある。5月から7月に,小枝の先端に複散房花序をつけ,多数の白花を咲かせる。花は白色5弁で径7~8mmあり,花弁内面の下部に毛がある。萼は5裂し,おしべは約 20本,めしべの花柱は3~4本ある。果実は径5~6mmの球形で赤く熟する。秋の紅葉と赤い実の美しいところから庭木生け花の材料にされる。また材が堅く燃えにくく,かまどに七度入れても灰にならないといわれこの名がある。良質の薪炭材として知られる。北海道ではこの木を街路樹としている街も多い。なお,本州中部から西のものでは葉の裏面の脈上に薄茶色の毛が目立つ変種があり,これをサビハナナカマド S. commixta var. rufoferrugineaと呼ぶ。

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