ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
ニコラウス[オートルクール]
Nicolaus de Ultracuria
[没]1350以後
フランスのオッカム主義哲学者。フランス名は Nicolas d'Autrecourt。 1320~27年パリ大学教授,著書が 1346年に異端を宣告され,禁書処分を受けた。確実な認識の基準として直接的明証のみを認め,基本原理として矛盾律をとって,原因から結果,偶有性から実体へという推論が確実ではないと批判した。この因果性の概念の批判ゆえに中世のヒュームと呼ばれる。この理論によって神の存在は証明しえないものとなり,また自然学ではアリストテレス的質料形相説は捨てられ原子説が取り入れられた。
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