デジタル大辞泉
「ニッケルクロム鋼」の意味・読み・例文・類語
ニッケルクロム‐こう〔‐カウ〕【ニッケルクロム鋼】
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精選版 日本国語大辞典
「ニッケルクロム鋼」の意味・読み・例文・類語
ニッケルクロム‐こう ‥カウ【ニッケルクロム鋼】
〘名〙 (ニッケルクロムはnickel chrome) ニッケル一・〇~三・五パーセント、クロム〇・五~一・〇パーセントを含む合金鋼。
ニッケル鋼の焼入性を改善するためにクロムを添加したもの。かたく、
抗張力が大きい。
構造用鋼として高級機械部品に広く用いられる。
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ニッケルクロム鋼
ニッケルクロムこう
nickel-chromium steel
単にニッケルクロム鋼といえば構造用低合金鋼をさし,ステンレス鋼のような高合金鋼は含めない。ニッケル Niの効果は地鉄を強靭にし,焼入れ性を安定化することである。クロム Crは地鉄を硬くし,焼入れ性にも寄与するが効果は 1.0%を限度とするので,ニッケルで補うわけである。ニッケルは昔から「鉄の頓服剤」といわれたほどよい鋼成分で,クロムはさらにそれを助けるから,よい熱処理をすると引張り強さ 75~100 kg/mm2 に達する。通常の組成は炭素 0.33%程度の炭素鋼に Ni1~3.5%,Cr0.5~1.0%で,炭素 0.15%程度に下げた浸炭用鋼 (→肌焼鋼 ) もある。この鋼種の欠点は焼戻し脆性が現れることと,水素による白点の出現であるが,焼戻し脆性はクロム鋼と同様,モリブデン (0.15~0.35%) 添加で緩和することができる。ニッケルクロムモリブデン鋼は欠点の少い意味で構造用鋼としては最高級品種である。
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ニッケルクロム鋼
にっけるくろむこう
nickel chromium steel
ニッケルを数%以下、クロムを約1%添加した機械構造用低合金鋼。車軸など強靭(きょうじん)性を要求される機械部材には焼入れ・焼戻しの熱処理が施されるが、厚肉の鋼は焼きが入りにくい。徐冷されても焼きが入るようにニッケルとクロムとが添加され、これによって炭素鋼丸棒の数倍太いものでも焼入れ硬化をさせられる。
[須藤 一]
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