ニブフ族(読み)ニブフぞく(英語表記)Nivkh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニブフ族」の意味・わかりやすい解説

ニブフ族
ニブフぞく
Nivkh

アムール川下流地域とサハリン島 (樺太) に住む少数民族。ニブフは自称で,旧称ギリヤーク Gilyak。 20世紀末の人口約 4600。言語は古シベリア諸語の1つとされ,周囲の言語から孤立する。また形質的特徴も近隣のツングース系統とは異なり,モンゴロイド一群であることは確実で,古シベリア人種とも考えられるが,系統は未詳で,孤立している。従来は,外婚制氏族組織をもち漁労狩猟採集を行い,氏族の成員は相互扶助の義務を負った。ソ連政府の統治下に入ってからは,経済活動は共同化され,散在する村落は統合された。以降,農業が導入され,牛の飼養も行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android