ニューポート(英語表記)Newport

精選版 日本国語大辞典 「ニューポート」の意味・読み・例文・類語

ニューポート

(Newport)
[一] イギリス、ウェールズ南部、セバーン川の河口に臨む港湾都市。ウェールズ炭田をひかえた石炭の積み出し港で、造船・鉄鋼・機械などの工業がさかん。
[二] アメリカ合衆国ロードアイランド州南東部にある都市。避暑地として、毎年夏にジャズフェスティバルが開催されていた。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「ニューポート」の意味・読み・例文・類語

ニューポート(Newport)

米国オレゴン州西部、太平洋に面する港湾都市。ヤキーナ川の河口に位置する。木材の大輸出港。ヤキーナ湾に架かるヤキーナベイブリッジというアーチ橋が有名。
米国ロードアイランド州南東部の都市。ナラガンセット湾口に位置する。海軍の基地・大学・士官学校が所在。19世紀後半より保養地として知られ、豪奢な別荘が多い。国際テニスの殿堂がある。
英国ウエールズ南東部の港湾都市。ウスク川に臨む。工業製品などの輸出が盛ん。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニューポート」の意味・わかりやすい解説

ニューポート
Newport

イギリスウェールズ南東部の工業・港湾都市。単一自治体(ユニタリー unitary authority)。ウェールズ語では Casnewydd。旧モンマスシャー県に属する。1974年の自治体再編でグウェント県の一地区となり,1996年に単一自治体となった。ニューポート市はカーディフの北東約 20km,セバーン川河口の三角江がブリストル海峡となるあたりの北岸に位置し,アスク川最下流部に臨む。12世紀初期に築かれた城を中心に形成された町で,中世には多くの勅許状を得て繁栄。近代都市としての発展は,19世紀に入って南ウェールズ炭田に属する背後の炭田地帯で鉄鋼,アルミニウム,機械などの工業が発達するようになってからで,石炭のほか,それら工業製品の積出港として発展。石炭の積み出しは 1964年に停止したが,市内外で各種工業が行なわれ,工業都市としても発展した。特に東郊のランウェアンに建設された大規模なスペンサー製鋼所が 1962年に操業を開始してからは,イギリス有数の製鋼中心地となった。ほかに鋼加工,製紙,化学などの工業がある。歴史的建築物は少ないが,聖ウーロス聖堂はノルマン時代に創建されたもので,15世紀の塔が現存。セバーン川三角江を橋で越える高速自動車道路,トンネルで越える鉄道によりロンドン方面と連絡。単一自治体面積 190km2。単一自治体人口 13万9600(2005推計)。

ニューポート
Newport

イギリスイングランド南部,イギリス海峡に浮かぶワイト島の行政府所在地。同島の北岸から深く湾入するメディナ川の三角江(エスチュアリー)の最奥部に臨む。ローマ時代にメディナ Medinaとして知られる集落があったところと考えられ,当時の住居跡が発掘されているが,その後のアングロ・サクソン時代の痕跡はない。12世紀後期に最初の勅許状が与えられ,市場町として発展。農業地帯の集散地で,本土との取り引きでにぎわうほか,プラスチック,木工,製粉,ビール醸造,ミネラルウォーターなどの工場が立地する。人口 2万2957(2001)。

ニューポート
Newport

アメリカ合衆国,ロードアイランド州南東部にある港湾都市。ロード島の南端に位置する。 1639年建設された。最初は商港として栄え,ボストンニューヨークと繁栄を競ったが,アメリカ独立戦争による疎開などで衰退,南北戦争後は避暑地として復活した。大西洋岸には 19世紀後半の豪華な別荘が立並ぶ。 1852年 M.C.ペリーは黒船を率い,日本開国を求めてここから出航した。現在も重要な海軍基地で,海軍工廠兵学校,潜水艦研究所など海軍関係の施設がある。ジャズ音楽祭 (1954~71) ,ヨットレースなどの開催地としても知られる。人口2万 8227 (1990) 。

ニューポート
Newport, Christopher

[生]1565頃
[没]1617.10. 東インド,バンタム
イギリスの船員。初め西インド諸島海域で私掠船活動を行なっていたが,1606年からバージニア会社に入社し,同会社所有船の最初の新大陸への航海を指揮,07年5月 13日ジェームズタウン植民地の建設に参加した。その後何度も大西洋を往復し植民者を運んだが,09年の航海中バミューダ沖で難破した事件は,のちにシェークスピアの戯曲『あらし』 The Tempestの題材となったとされることで有名。

ニューポート
Newport

アメリカ合衆国,ケンタッキー州北境の都市。州境のオハイオ川の対岸はオハイオ州のシンシナティである。 1790年に入植が始り,1880年代に大きく発展した。商工業の一中心で,住宅都市でもある。金属,衣料,食品加工などの工業が盛ん。人口1万 8871 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「ニューポート」の意味・わかりやすい解説

ニューポート
Newport

イギリス,ウェールズ南東部,グウェント州(旧,モンマスシャー)南部にある港湾・商工業都市。ウェールズ語ではカスネウーズCasnewyddと呼ぶ。人口13万9300(2003)。セバーン川河口に流入するアスク川の下流に位置し,19世紀後半から南ウェールズ炭田東部地区の石炭積出港として発展した。現在は大製鉄所が立地するのをはじめ,航空機,アルミニウム,造船などの工業が活発である。町は12世紀初めに建設された城の周囲に発展し,1323年に自治権を得た。また1839年には〈チャーチスト暴動〉の舞台となった。市内には城跡のほか,ノルマン風のセント・ウーロス教会がある。
執筆者:

ニューポート
Newport

アメリカ合衆国ロード・アイランド州南東部の保養都市。人口2万9259(1980)。ナラガンセット湾のアクイドネック島に位置し,海運の町として発達した。1644年に集落が建設されて造船が始まり,奴隷,パイナップル,ラム酒の貿易によって町が繁栄した。17世紀にユダヤ人を含むさまざまな亡命者を受け入れ,これらのユダヤ人商人が海運業の発展に大きく貢献したといわれている。独立革命の際に町の大部分が焼かれ,その後プロビデンスに港の機能を奪われた。19世紀に豪華な邸宅が建ち並ぶ高級保養地として発展。ヨットのアメリカ・カップの開催地。〈テニスの殿堂〉の所在地。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android