ニラ(韮)(読み)ニラ(英語表記)Allium tuberosum; Chinese chive

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニラ(韮)」の意味・わかりやすい解説

ニラ(韮)
ニラ
Allium tuberosum; Chinese chive

ヒガンバナ科ネギ属多年草。中国西部原産といわれ,日本でも古代から栽培されている。山野に自生しているものは真の野草か野草化したものかは明らかではない。パキスタンから日本までアジアの温帯地域に広く分布する。鱗茎は小さくシュロの毛のような繊維で包まれ,基部に短い根茎がつく。葉は鱗茎に数個束生し線形で平たく鈍頭,長さ 20~30cm,全草に臭気がある。8~9月頃,30~50cmの花茎を立て,白色の小花を散形に多数つける。果実は扁球形で長さ約 5mm。種子黒色で韮子(きゅうし)と呼ばれ,漢方では泌尿器系疾患に用いる。花は塩漬に,葉はあえ物,いため物,味噌汁など食用として,特に中国料理に広く利用される。特有の臭気は硫化アリル類が主成分。

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