ニワフジ(読み)にわふじ

改訂新版 世界大百科事典 「ニワフジ」の意味・わかりやすい解説

ニワフジ (庭藤)
Indigofera decora Lindl.

庭園石垣などに植えられるマメ科小低木で,6~7月に紅紫色または白色の美しい蝶形花を長い穂に密につける。和名は生育地とフジに見立てた花の美しさを組み合わせたもので,イワフジ岩藤)ともいう。高さ30~60cmで,枝は細く,無毛。葉は互生し,7~11枚の奇数個の小葉をつける羽状複葉。小葉は長楕円形で長さ2~5cm,幅1~2cm,葉の表は無毛,裏には白いT字毛がある。花は長さ12~15mmで10本のおしべがある。果実は細い円柱形,長さ4~5.5cm,熟すと2片に裂けて種子を飛ばす。本州中部,近畿地方),四国九州,中国,台湾に分布する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニワフジ」の意味・わかりやすい解説

ニワフジ
にわふじ / 庭藤
[学] Indigofera decora Lindl.

マメ科(APG分類:マメ科)の落葉小低木。別名イワフジ。葉は奇数羽状複葉で、小葉は9~11枚つき、狭卵形で長さ3~4センチメートル、質が薄く、裏面は白色を帯びる。5~6月、長さ10~20センチメートルの総状花序をなして、紅紫色の蝶形花(ちょうけいか)を開く。中部地方以西の本州、四国、九州の川岸、および中国に分布。広く庭に植えられる。

小林義雄 2019年11月20日]


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百科事典マイペディア 「ニワフジ」の意味・わかりやすい解説

ニワフジ

本州(中部・近畿)〜九州,東アジア河岸などにはえ,また寺院などの石垣に植えられるマメ科の落葉小低木。茎は草質で高さ50cm内外。葉は奇数羽状複葉で,小葉は7〜11枚,長さ3〜4cm,長楕円形で,下面は白みがある。初夏,葉腋に淡紅色で長さ約2cmの蝶(ちょう)形花を多数,総状につけ,後に長さ3〜4cm,やや湾曲した円筒形の豆果を結ぶ。

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