ヌクテー(読み)ぬくてー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヌクテー」の意味・わかりやすい解説

ヌクテー
ぬくてー
[学] Canis lupus chanco

哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。ヌクテーは、オオカミの中形亜種チョウセンオオカミ(チベットオオカミ)の朝鮮名であるが、ときにドール(アカオオカミ)をも混称する。体長90~130センチメートル、肩高62~76センチメートル、肩毛10~12センチメートル、体側毛4~6センチメートル、下毛が長い。ニホンオオカミより大きく、四肢が長く、吻(ふん)がはるかに細長い。体毛は北方の亜種より黄色みを帯び灰黄褐色、背筋に端の黒い毛からなる暗色帯があり、口の周り、のど、頬(ほお)は白く、目の周りが淡色。ときに全身黒色のものがある。トルコ、イランから天山山脈、ヒマラヤ地方、チベット、中国大陸の中部と北部を通り、朝鮮半島、沿海州まで分布する。朝鮮半島ではほとんど全域の山地に出没する。

今泉吉典

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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