ネコ(猫)(読み)ネコ

百科事典マイペディア 「ネコ(猫)」の意味・わかりやすい解説

ネコ(猫)【ネコ】

食肉目ネコ科。北アフリカ〜インドに分布するヨーロッパヤマネコの1亜種であるリビアネコを飼いならしたものといわれる。前3000年ころエジプトで壁画に飼われていた記録があり,日本へは奈良時代に中国から渡来したと思われる。形態は原種とあまり違わない。聴覚が鋭く,瞳孔(どうこう)は明るさに応じて大きさを変え夜でもよく見える。木登りがうまく,獲物を鋭い鉤爪(かぎづめ)をもった前肢で巧みにとらえる。足の裏には柔らかい肉球があって音をたてずに歩くことができ,鉤爪はふだんは鞘に引っ込めている。妊娠期間は60〜69日間。1腹2〜8子,平生4子,寿命は10〜30年で変異は大きい。品種はあまり多くないが,十分に分類されていない。一般に毛の長さにより,長毛種(ペルシアネコなど)と短毛種(シャムネコ,アビシニアン,マンクスなど)に大別される。また毛色により,黒,白,三毛(みけ),とらなどに分けられる。三毛は雌では普通だが,雄では非常にまれで,しかも生殖能力がない。これは三毛発現に関係する遺伝子がX染色体上にあるためで,雄の三毛は理論的には生じない。なぜこれが生まれるかについては,まだ定説がない。愛がん用,ネズミ駆除などに用いられるほか,皮は三味線の胴皮に利用され,特に白ネコの雌の皮がよいとされる。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android