ネーゲル(読み)ねーげる(英語表記)Ernest Nagel

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネーゲル」の意味・わかりやすい解説

ネーゲル
ねーげる
Ernest Nagel
(1901―1985)

アメリカ科学哲学者。彼は、一方では論理実証主義系譜に属するが、他方ではパースデューイといった哲学者につながる自然主義者と、自ら立場を規定している。主著科学構造』(1961)には、彼の長年にわたる仕事が、統一的でバランスのとれた仕方で集約されている。彼の自然主義の立場を表明したものとしては、論文集形而上(けいじじょう)学ぬきの論理学』(1956)がある。

飯田 隆 2015年10月20日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネーゲル」の意味・わかりやすい解説

ネーゲル
Nagel, Ernest

[生]1901.11.16. ノベメスト
[没]1985.9.20. ニューヨーク
チェコスロバキア生れのアメリカの哲学者。コロンビア大学教授。 M.コーエン,J.デューイ,F.ウドブリッジらの教えを受け,C.パース,B.ラッセル,G.サンタヤナらに影響された。自然主義的論理経験 (実証) 主義運動に属し,科学哲学に貢献記号論理学にも造詣が深い。『記号論理学雑誌』と『哲学雑誌』の編集者をつとめた。主著"The Logic of Measurement" (1930) ,"An Introduction to Logic and Scientific Method" (34) ,"Principles of the Theory of the Probability" (39) ,"Sovereign Reason" (54) ,"Logic without Metaphysics" (56) ,"The Structure of Science" (61) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「ネーゲル」の意味・わかりやすい解説

ネーゲル
Ernest Nagel
生没年:1901-85

チェコスロバキア生れの哲学者。子どものときにアメリカへ渡り,アメリカで教育を受け,コロンビア大学でジョン・デューイ(哲学)教授を務める。アメリカにおける代表的科学哲学者であり,その立場は論理実証主義の流れの中にある。業績は,測定理論科学方法論,確率論,論理学,科学の論理的構造に関する科学哲学などであるが,今日では,理論間の演繹に関する彼の分析は,不適切であるとして批判されている。
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