ノバスコシア

精選版 日本国語大辞典 「ノバスコシア」の意味・読み・例文・類語

ノバ‐スコシア

(Nova Scotia ラテン語で「新しいスコットランド」の意) カナダ南東部、大西洋に長く突き出たノバスコシア半島とケープブレトン島などからなる州。良港に恵まれ、漁業パルプ・製鉄工業がさかん。州都ハリファックス。

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改訂新版 世界大百科事典 「ノバスコシア」の意味・わかりやすい解説

ノバ・スコシア[州]
Nova Scotia

カナダ東部の州。面積5万3338km2,人口93万7900(2005)。州都ハリファックス。イギリス系75%,フランス系11%という人口構成は,境を接するニューブランズウィック州と大きな相違をみせている。大西洋に突き出た形のノバ・スコシアは,19世紀前半,イギリス-ノバ・スコシア-西インド諸島の三角貿易の一角担い繁栄を享受した。現在のカナダの10セント硬貨についている帆船はその際大活躍を演じた〈ブルーノーズ〉である。この繁栄は帆船の衰退とともに消滅し,現在のノバ・スコシアの主要産業は石油精製,食品製造,製紙および紙製品を中心とする工業である。次いで建設業,漁業が占め,ロブスターが州の特産品となっている。農業も伝統があり,アナポリス渓谷は17世紀末からリンゴの産地として知られているが,現在農産物の産出高は多くはない。

 ノバ・スコシアはその位置の上から,現在のカナダで最も早くフランス人による植民が行われた。1605年,シャンプランらはアナポリス渓谷にポール・ロアイヤルなる植民地を建設し,周辺一帯をアカディアと呼んだが,ここはイギリス軍の攻撃にさらされやすいこともあずかって,フランス植民地の根拠地はケベックへ移され,フランス政府の関心は薄れた。1621年,イギリス国王ジェームズ1世は臣下のW.アレクサンダーにこの地を与え,彼はここをラテン語で〈新スコットランド(ノウァ・スコティア=ノバ・スコシア)〉と命名した。1713年正式にイギリス領と認められ,アメリカ独立革命勃発により多数の王党派ローヤリスト)の到来をみた。19世紀中葉,ノバ・スコシアの政治改革に努力したJ.ハウは王党派の息子で,主として彼の貢献により,1848年,ノバ・スコシアには全イギリス領植民地の中で初の責任政府が実現した。67年の連邦結成の際,ハウは加入反対を唱えたが,政敵タッパーの主導でカナダに州として参加した。州都ハリファックスは第2次大戦の際連合国の避難港として脚光を浴びた。
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世界大百科事典(旧版)内のノバスコシアの言及

【アカディア】より

…現在のカナダのニューブランズウィック州,ノバ・スコシア州,アメリカ合衆国のメーン州にまたがる地域の古称。1605年,ノバ・スコシアの現アナポリス・ローヤルにフランスから派遣されたド・モンとシャンプランは植民地を形成,2年後に彼らの関心はケベックへ移ったが,以来ここはフランス系カナダ人の故郷となっており,現在もフランス語を話す人々が多く居住している。…

【ハウ】より

…イギリス領北アメリカの政治家。王党派(ローヤリスト)の息子としてノバ・スコシア植民地に生まれる。正規の教育をほとんど受けず,父親の印刷業を手伝いながら独学し,1828年から《ノバスコシア人》紙を刊行。…

※「ノバスコシア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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