ノブゴロドセベルスキー(英語表記)Novgorod-Severskii

改訂新版 世界大百科事典 「ノブゴロドセベルスキー」の意味・わかりやすい解説

ノブゴロド・セベルスキー
Novgorod-Severskii

ウクライナ北東部,チェルニゴフ州の小都市で,デスナ河畔に位置する。人口1万5600(1991)。セベルスカヤ地方(この名称はこの地方に居住したセベリャーネ人に由来する)の中心都市で,町の起源は明らかでないが,1044年からその存在が知られ,96年にはチェルニゴフ公国内の一分領公国(セベルスキー公国)の主都となった。《イーゴリ軍記》で有名なイーゴリ公(1151-1202)も,この地の公であった。リトアニア大公アルギルダスの治世(1345-77)にリトアニア領となり,1503年モスクワ公国領となったが,その後もリトアニアと合同したポーランドとモスクワとの間で領有をめぐる争いが絶えず,1618年末のデウリノ休戦条約では休戦期間中ポーランド領とされた。67年のアンドルソボ休戦条約でロシア領とされ,86年の〈恒久平和〉によってこのことが確認された。産業面で特記するものはないが,市内にはウスペンスキー聖堂,ニコライ教会(木造),スパソ・プレオブラジェンスカヤ修道院など,17~18世紀の建造物が数多く残っている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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