ノーサンプトン(英語表記)Northampton

翻訳|Northampton

デジタル大辞泉 「ノーサンプトン」の意味・読み・例文・類語

ノーサンプトン(Northampton)

米国マサチューセッツ州西部の都市コネティカット川沿いに位置する。17世紀半ばに建設。19世紀半ばに運河鉄道が通じ、繊維業が発展。スミス大学という名門女子大学がある。ノーザンプトン。

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改訂新版 世界大百科事典 「ノーサンプトン」の意味・わかりやすい解説

ノーサンプトン
Northampton

イギリス,イングランド中部,ミッドランド地方東部にあるノーサンプトンシャー工業都市で州都。地名は〈北の主要村落〉の意で,イングランド南部のサウサンプトンと対をなす。人口19万7199(2001)。ノーサンプトン丘陵の東麓,ネン川北岸に位置し,周辺農業地帯の中心として製粉業や牛市が立地するが,最も著名なのは中世からの製靴業で,ジョン王は靴購入のためこの地を31回も訪れた。現在は機械工業もみられ,また北方コービーでは鉄鉱石を産出する。アングル人の集落として成立後,デーン人占領,要塞化した。1084年ごろ建設の城は,中世の重要な議会の舞台となり,とくにヘンリー2世が1164年にT.ベケットを反逆者として裁いたことは有名。1675年の大火で町の大部分が焼失したが,市内にはノルマン風のセント・ピーター教会や円形のセント・セプルカー教会が残り,またセントラル博物館は靴の収集で知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ノーサンプトン」の意味・わかりやすい解説

ノーサンプトン
Northampton

イギリスイングランド中部,ノーサンプトンシャー県の県都。ノーサンプトン地区を構成する。ロンドン北西約 100kmにあり,ニーン川に臨む。914年の記録に現れる町で,12世紀初めに市壁と城が築かれた。1189年最初の勅許状を得て,中世初期には重要な町として栄えたが,1300年頃から衰退。伝統産業である皮革製靴業は 17世紀に始まり,19世紀初め以降急速に発展,イギリス有数の製靴中心地となった。ほかに電子機器,ビール醸造などの軽工業がある。市街は 1675年の火災で大きな被害を受けたが,後期ノルマン様式の聖ピーター聖堂をはじめとする古い建築物が保存されている。北西郊のグレートブリントンには,アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンの先祖の墓がある。面積 81km2。人口 18万9474(2001)。

ノーサンプトン
Northampton

アメリカ合衆国,マサチューセッツ州西部,コネティカット川にのぞむ都市。 1654年入植。イギリスの同じ地名にちなむ。初めは自給的な農業集落にすぎなかったが,19世紀中頃から南のコネティカット州との間に運河や鉄道が通じて繊維工業の中心地となった。毛織物,食器,光学機械などの工場も立地。人口2万 9289 (1990) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ノーサンプトン」の意味・わかりやすい解説

ノーサンプトン
のーさんぷとん
Northampton

イギリス、イングランド中部、ノーサンプトンシャー県の県都。人口19万4477(2001)。9~10世紀にデーン人に占領された記録があり、1189年都市の資格を得た。中世には地方中心都市として栄え、1328年、スコットランドの独立を保障したノーサンプトン条約が当市で調印された。18世紀後半に製靴を主とする皮革工業の国内中心都市となり、いまも盛んだが、それは当地が牛市場の開催地であることと、皮革加工用タンニンを採取するカシの木が繁茂していたことによる。ほかに機械、醸造、電子部品などの工業が立地する。1675年大火にみまわれるが優れた都市計画に基づき再建され、小説家ダニエル・デフォーがその景観を褒めたたえた。イギリスに四つしかない円形教会の一つ、聖セパルチャー教会が残る。

[久保田武]

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百科事典マイペディア 「ノーサンプトン」の意味・わかりやすい解説

ノーサンプトン

英国,イングランド中央部の工業都市,ノーサンプトンシャー州の州都。ロンドンの北西約100km。中世からの皮革工業の中心地として知られ,靴の生産が多い。周辺は英国の主要な鉄鉱産地。ヘンリー2世がT.ベケットを裁いた城がある。18万9000人(2001)。

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