ハインゼ(英語表記)Heinse, Johann Jakob Wilhelm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハインゼ」の意味・わかりやすい解説

ハインゼ
Heinse, Johann Jakob Wilhelm

[生]1746.2.15. ランゲウィーゼン
[没]1803.6.22. アッシュアッフェンブルク
ドイツの小説家。シュトゥルム・ウント・ドラングの作家。エアフルトで法律を学び,ウィーラントグライム親交を結んだ。 1774年ジュッセルドルフに行き,ヤコービを助けて雑誌『イーリス』 Iris発刊。イタリアのタッソアリオストの作品の翻訳もあり,美術批評家としても知られる。作品には,古代に憧れる芸術家を主人公にした官能的なユートピア小説『アルディンゲロー』 Ardinghello (2巻,1787) ,『ヒルデガルト・フォン・ホーエンタール』 Hildegard von Hohenthal (2巻,95~96) などがある。

ハインゼ
Heinze, Frederick Augustus

[生]1869
[没]1914
アメリカの銅鉱山経営者,投機家。 1892~1906年モンタナ州ビュートで銅鉱山開発と経営に成功したが,アマルガメイテッド銅会社と歴史的な争いののち敗退した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハインゼ」の意味・わかりやすい解説

ハインゼ
はいんぜ
Johann Jacob Wilhelm Heinse
(1746―1803)

ドイツの小説家、美術批評家。ウィーラントの弟子として優雅な官能小説を書くことから出発するが、イタリア体験ののち師の軛(くびき)を脱し、16世紀イタリア・ルネサンスの天才的人物を主人公に、美と官能と自然本能の力とを無制限に礼賛するバロック的小説『アルディンゲロと至福の島々』(1787)を発表。この作品は当時のカント的道徳主義の対極をなすものとして、文学・思想史上重要な意味をもつ。また、フランドルの画家ルーベンスの再発見者の1人としても知られる。

[池田紘一]

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