ハドソン湾(読み)ハドソンわん(英語表記)Hudson Bay

精選版 日本国語大辞典 「ハドソン湾」の意味・読み・例文・類語

ハドソン‐わん【ハドソン湾】

(ハドソンはHudson) カナダ北東部、ラブラドル半島に抱えられる湾。ハドソン海峡により大西洋と、フォックス海峡などにより北極海と通じる。一〇月下旬から六月中旬まで結氷する。

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デジタル大辞泉 「ハドソン湾」の意味・読み・例文・類語

ハドソン‐わん【ハドソン湾】

カナダ北東部にある湾。支湾ジェームズ湾・フォックス湾・アンガバ湾などをもち、ハドソン海峡で大西洋とつながる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハドソン湾」の意味・わかりやすい解説

ハドソン湾
ハドソンわん
Hudson Bay

カナダ北東部の湾。面積 81万9000km2広義にはジェームズ湾,フォックス海峡,フォックスベーズン (湾) ,ハドソン海峡,アンゲーバ湾を含む (面積 124万3200km2) 。平均水深は 100mと浅く,海底はきわめて平坦。湾の西部には粗粒な堆積物が,中央部には泥またはシルト (微砂) が分布する。河川流入塩分は少ない。沿岸部は永久凍土で,水面も 1~5月は流氷に覆われる。1498年ジョバンニ・カボートが発見したといわれ,1610年ヘンリー・ハドソンがアンゲーバ湾岸からジェームズ湾岸までを調査し,1612年トーマス・バトンが東海岸の地図を完成した。西岸部の調査は,1929~31年に行なわれた。近年は年平均 50~60隻の船が出入りし,穀物を積み出している。アメリカインディアンイヌイットエスキモー)が海岸各地に分散して居住する。夏期にはタラサケなどを漁獲する。

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改訂新版 世界大百科事典 「ハドソン湾」の意味・わかりやすい解説

ハドソン湾 (ハドソンわん)
Hudson Bay

カナダにある巨大な湾。北アメリカ大陸北東部にあり,ハドソン海峡を経て大西洋へ,フォックス湾を経て北極海へ通じる。南部のジェームズ湾を含め面積121万km2。最大深度約450m。カナダ楯状地の中央に位置する凹地に相当する。周辺の岩石は先カンブリア時代の花コウ岩や変成岩が多い。洪積世には大陸氷河の下にあった。冬季は全面結氷する。周辺はホッキョクグマの生息地。1610年,イギリスの探検家H.ハドソンが発見した。沿岸部一帯は,1713年のユトレヒト条約以降イギリスの特許会社ハドソン湾会社の領有地となり,毛皮獣捕獲や森林開発が進められた。1869年カナダ領となり,1929年には内陸部の穀倉地帯からハドソン湾鉄道が西岸のチャーチルまで通じ,31年に初めてここからヨーロッパに向けて穀物が船で輸出された。東岸には少数のエスキモー集落がある。現在,沿岸最大の町はチャーチル。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ハドソン湾」の意味・わかりやすい解説

ハドソン湾
はどそんわん
Hudson Bay

カナダ北東部の大きな湾。広義には、狭義のハドソン湾に南のジェームズ湾、北のフォックス海峡、フォックス湾、北東のハドソン海峡、アンガバ湾を含む。面積約124万3200平方キロメートル(狭義では64万7000平方キロメートル)。主要部の水深は40~180メートルであるが、ハドソン海峡付近では870メートルに達する部分がある。フォックス湾、ジェームズ湾では60メートル以下と浅い。湾内の水は河川の流入により塩分が少ない。狭義のハドソン湾のほとんど全域は冬季パックアイス(流氷)に覆われ、海岸沿いに定着氷帯ができる。氷は5月になると融(と)け始め、9月中旬にはなくなる。北のフォックス湾では1年を通じ流氷がみられる。沿岸の地域は、南西にハドソン湾岸低地が広がるほかは、緩やかな起伏をもつ湖の多いカナダ楯状地(たてじょうち)で、南端のジェームズ湾岸は森林ツンドラ、それ以外は低木・地衣ツンドラ地域である。1610年にイギリスのヘンリー・ハドソンにより発見され、この名がつけられ、1670~1869年の200年間はイギリスのハドソン湾会社の支配下にあった。

[大竹一彦]

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百科事典マイペディア 「ハドソン湾」の意味・わかりやすい解説

ハドソン湾【ハドソンわん】

カナダ中東部の巨大な湾。東部のハドソン海峡で大西洋に,北東部のフォクス海峡・フォックス湾で北極海に通ずる。南端にジェームズ湾の浅い入江がある。夏季2ヵ月半航行可能。チャーチル,ムーソニーが主要港。1610年H.ハドソンが発見して東岸を探検。1670年―1869年英国の特許会社であるハドソン湾会社により毛皮を輸出。湾内で夏季にサケ,タラの漁獲が行われる。1869年以降カナダ領。約121万km2
→関連項目カナダ大西洋

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