ハナゴケ(花苔)(読み)ハナゴケ(英語表記)Cladonia rangiferina; reindeer moss

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハナゴケ(花苔)」の意味・わかりやすい解説

ハナゴケ(花苔)
ハナゴケ
Cladonia rangiferina; reindeer moss

ハナゴケ科の代表的な地衣類クラドニアともいう。体は平らないわゆるコケ状にならず,3~10cmの軸を生じその一側にかたよって多数の分枝を出し地上に立上がる。ひとつひとつは樹状であるが,全体としては枝が互いにからみ合って絨毯状になる。軸状の茎は子器柄で,各枝の先端に子器を生じる。中空でときに破れて孔が開く。軸の色は日陰では白ないし汚灰色,日当りがよければ帯黒色となる。子器は半球形で,暗褐色ないし黒褐色。各子嚢には8個の長卵形または楕円形の胞子を生じる。近似種には子器が黄褐色のワラハナゴケ C. sylvatica,日当りがよくても黒色を帯びないハナゴケモドキ C. mitisがある。なお,高山性のものにミヤマハナゴケ C. alpestrisがある。本種,近似種ともに世界各地に広く分布する。英名トナカイゴケの名があるようにトナカイの飼料となる。

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