ハマウツボ(浜靫)(読み)ハマウツボ(英語表記)Orobanche coerulescens; broomrape

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ハマウツボ(浜靫)」の意味・わかりやすい解説

ハマウツボ(浜靫)
ハマウツボ
Orobanche coerulescens; broomrape

カワラヨモギに寄生するハマウツボ科一年草。アジアから東ヨーロッパの温帯から熱帯に広く分布し,日本でも各地の海岸の砂地に生える。全体に葉緑素を欠き,黄褐色を呈する。根茎は塊状に太く肥厚し,肉質のひげ根宿主の根につく。茎は太い円柱形で分枝せず,初めは卵状披針形の鱗片葉と長めの白い軟毛をつける。初夏に,茎の上部に太い花穂を1本出し,淡紫色の花を密につける。花冠は長さ 2cmほどの筒形で花柄はなく,2片に分れた萼がある。全体に毛が多い。果実は狭楕円形の蒴果で,多数の黒色種子を生じる。

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