バイイング・パワー(読み)バイイングパワー

百科事典マイペディア 「バイイング・パワー」の意味・わかりやすい解説

バイイング・パワー

購買上の優位性に基づく大規模小売業の仕入力・購買力。購買上の優位性は,購買量自体の絶対的な大きさや,ある特定売手の販売量に占める購買量の相対的な大きさによって発生する。しかし問屋中小の製造業者は,市場で独占的な地位を得ることができる大規模小売店の要求に応じなければ取引が停止され,最悪の場合倒産に追い込まれる可能性がある。このため,独占禁止法ではこのパワーの不当行使は〈不公正な取引方法〉であるとし,一般指定14号〈優越的地位の濫用〉によって禁止している。

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流通用語辞典 「バイイング・パワー」の解説

バイイング・パワー【buying power】

チェーン・ストアが、巨大な販売力を背景にして、強い仕入力・購買力をもっていることをいう。この力は、商品を安定的に、かつ廉価に市場に供給でき、流通合理化と消費者利益に貢献する。他方、公平な商取引から逸脱した範囲取引先圧力をかけ、取引における優越した地位の濫用をきたすおそれがある。もともと売り手と買い手との間には相反する利益関係があり、とくにチェーン・ストアのバランスあるバイイング・パワーの発揮が問われている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バイイング・パワー」の意味・わかりやすい解説

バイイング・パワー
buying power

他の購買者より有利な条件で売り手と取引する能力。バイイング・パワーの形成によって,消費価格の引き下げに結び付くなどの利点も確認されているが,売り手に対する優位制の乱用など強度の行使は,社会的不利益をもたらすとして,規制すべきであるとの指摘もある。

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