バクスター(英語表記)Richard Baxter

改訂新版 世界大百科事典 「バクスター」の意味・わかりやすい解説

バクスター
Richard Baxter
生没年:1615-91

イギリスピューリタン著述家神学独学で習得し,1638年英国国教会按手礼を受けたが,非服従派の教えに共感し,監督制に反対した。英国国教会とピューリタンとの間を調停しようと努力し,〈公禱文〉を改訂したが,61年のサボイ会議では受けいれられなかった。62年の礼拝統一法のあと,英国国教会を去った。彼の200冊以上の著作は,信仰,牧会的関心,宗教的寛容の諸領域に及び,中でも《聖徒の永遠の休息》(1650)は,信仰書の古典とされる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バクスター」の意味・わかりやすい解説

バクスター
Baxter, Richard

[生]1615.11.12. シュロップシャーロートン
[没]1691.12.8. ロンドン
イギリスの清教徒牧師神学者。 1638年イギリス国教会の叙任を受けたが,監督制度に反対し清教徒となり,41年キッダーミンスターの牧師。市民戦争のときは,議会側に属し,45~47年クロムウェル軍の軍隊付き牧師。 53年ウースター協会を設立。彼の説教は清教徒の古典とされ,考えは穏健で,神学的には調停的カルバン主義に属した。王政復古のときはチャールズ2世に協力したが,その清教徒的信念のため一時激しい迫害を受け,投獄された。 88年許された。主著聖者の永遠の安らぎ』 Saints' Everlasting Rest (1650) ,『改宗した牧師』 The Reformed Pastor (56) など。

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旺文社世界史事典 三訂版 「バクスター」の解説

バクスター
Richard Baxter

1615〜91
イギリスの非国教会派の宗教家
ピューリタン革命に際して,クロムウェルの新型軍の牧師として従軍,ピューリタニズムの倫理を兵士たちに説き,革命の精神的支柱となったが,王政復古後は国教会との調停に努力した。

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世界大百科事典(旧版)内のバクスターの言及

【ピューリタン】より

…王政復古後は,ピューリタンは急速に解体してしまい,国教会に吸収された者が多かったが,今日のイギリスの非国教徒教会のうち,長老派,独立派(会衆派),バプティスト,クエーカーなどはいずれもピューリタンの流れをくむものである。 ピューリタンの思想家としては,エリザベス時代のカートライトThomas CartwrightやトラバースWalter Travers,ジェームズ時代のパーキンズWilliam ParkinsやエームズWilliam Ames,共和政時代のR.バクスターやオーエンJohn Owen,とりわけ詩人にして思想家J.ミルトンがあげられる。J.バニヤンは王政復古後のピューリタンの生き方を代表する。…

※「バクスター」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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