バナジウム添加耐熱鋳鉄

日本の自動車技術240選 「バナジウム添加耐熱鋳鉄」の解説

バナジウム添加耐熱鋳鉄

鋳鉄適量バナジウムを添加することにより、高温強度および熱疲労寿命に優れた特性を有する。ニレジスト鋳鉄からの代替により、エキゾーストマニホールドのコスト低減を実現した。製作(製造)年2002
製作者(社)スズキ株式会社
搭載車名エブリイ(ターボ仕様)、他
設計者アイシン高丘株式会社
構造・方式・手段・方法等鋳鉄に適量のバナジウムを添加することにより、高温強度および熱疲労寿命に優れた特性を有すると同時に、コストの低減も実現した。
機能・作用等高温強度・年疲労寿命・切削性の改善
効果従来の鋳鉄を用いたエキゾーストマニホールドに比べて1.8倍以上の耐久性を有する。高価なニレジスト鋳鉄からの代替を実現し、製品コストを55%以上低減した。
エピソード・話題性財団法人新技術開発財団の「市村産業賞貢献賞」を受賞第55回自動車技術会賞技術開発賞を受賞第21回素形材産業技術賞素形材センター会長賞を受賞
特徴開発した「バナジウム鋳鉄」は、適量のバナジウム添加をとする合金設計によって高温特性改善を図ったもので、高温強度、熱疲労寿命に優れており、従来の鋳鉄では不可能であった高温域でも使用を可能とし、同時にコストの低減を実現した。「バナジウム鋳鉄」は、ターボエンジンの排気マニホールドなど高温になる部品に適している。
参考文献■鈴木延明ほか:高けい素球状黒鉛鋳鉄の高温特性に及ぼすモリブデン及びバナジウムの影響, 鋳造工学, Vol.76, No.10, p815~822 (2004)■鈴木延明ほか: エキゾーストマニホールド用バナジウム添加耐熱鋳鉄の開発, 自動車技術, vol.57, No.9, p108~112 (2003)

出典 社団法人自動車技術会日本の自動車技術240選について 情報

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