スペインの詩人,劇作家,小説家。ガリシア出身で,メキシコから帰国後,1895年マドリードへ出たが,奇抜な風貌と独創的な作風で大きな注目を集めた。99年カフェでのけんかで受けた傷がもとで片腕切断の憂目にあう。芸術のための芸術を標榜し,ダリオの唱えたモデルニスモ(近代主義)の詩人として出発。20歳のおり,失恋が動機でメキシコに渡った。メキシコ滞在の体験は《暴君バンデラス》(1926)をはじめ,彼の作品にさまざまな影響を与えることになる。一時,カルリスタになったりしたが,その後左傾し投獄されたこともある。感傷性豊かな侯爵の好色な人生を耽美(たんび)主義的筆致で描いた《四季の曲》(1902-05)は4部からなる長編散文詩で,モデルニスモを代表する作品。その後,モデルニスモを脱し,民衆的・叙事詩的な文学を目ざす。戯曲では〈エスペルペント〉と称される一連の風刺劇が特異な諧謔(かいぎやく)で注目をひく。
執筆者:志賀 一郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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