バルガスリョサ(英語表記)Mario Vargas Llosa

デジタル大辞泉 「バルガスリョサ」の意味・読み・例文・類語

バルガス‐リョサ(Mario Vargas Llosa)

[1936~ ]ペルー小説家。ブルジョア世界の悪を鋭くあばく多く作品を発表し、ラテンアメリカ文学人気を高めた。1990年にはペルーの大統領選に出馬したが、フジモリに敗れた。2010年、ノーベル文学賞受賞。作「都会と犬ども」「緑の家」「世界終末戦争」など。バルガス=ジョサ。

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改訂新版 世界大百科事典 「バルガスリョサ」の意味・わかりやすい解説

バルガス・リョサ
Mario Vargas Llosa
生没年:1936-

ペルーの作家。短編集《ボスたち》(1959)で注目されたあと,《都会と犬っころ》(1962)と《緑の家》(1966)の二つの全体小説によって批評家賞,ブレーベ図書賞,ロムロ・ガリェゴス賞などを受賞,一躍ラテン・アメリカ小説の花形となった。《ラ・カテドラルでの対話》(1969),《パンタレオンと女たち》(1973),《フリア伯母さんとドラマ作家》(1977),《世界の終りの戦い》(1981)などの作品のほかに,《神殺しの歴史》(1971),《永遠の祝祭》(1975)のような評論と,《タクナの娘》(1981)や《キャシーと河馬》のような戯曲もある。
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世界大百科事典(旧版)内のバルガスリョサの言及

【アマゾニア】より

…そしてゴム景気も復活したのであるが,終戦とともに衰退し,アマゾニアは再びパラ栗(ブラジルナッツ)や木材の生産,わずかばかりのゴム生産など静かな採取産業の世界に戻ってしまうのである。 近代的なアマゾニアの幕あけは,53年バルガス大統領によるアマゾン経済評価庁(SPVEA)の設立に始まる。そして66年には,これに代わってアマゾン開発庁(SUDAM)が設立され,アマゾン信用銀行がアマゾン銀行に改組されるなど資金的な裏付けも行われた。…

【インテグラリスタ党】より

…下級中間層をはじめ,軍,政府,教会,南部ドイツ人社会の中に浸透し,一時は党員20万を擁した。バルガス大統領に協力して共産党を追い落とし,大統領の独裁体制〈新国家(エスタード・ノーボ)〉樹立に協力してその中核組織になるかにみえた。しかし対米協調路線を採用して極右切捨てを図るバルガスと,党の民兵組織を警戒する軍部によって37年12月解散に追いこまれた。…

【テネンティズモ】より

…軍事反乱を社会革命に転化させようとしたL.C.プレステスの指揮下,反乱軍は全国2600kmを行軍し,運動を全国に拡大した。民族主義的姿勢を強めたテネンテスは資源の国有化,大土地所有制の廃止,中間層の政治参加を主張し,強力な政府の樹立を求めてバルガスに接近した。1930年の革命後,バルガスが臨時大統領になると,テネンテスの一部は政権に参加して政策決定に加わり,権威主義的なバルガス体制を支えた。…

【ブラジル】より

…こうして彼らはノロエステ,奥パウリスタ,奥ソロカバナ鉄道沿線に幾百もの〈植民地〉と呼ばれる日系集団地を形成,日本人会,産業組合,青年団,処女会,日本学校,野球チームなどを組織して,やや日本村落類似のエスニック地域共同体を築いた。 一方,軍事クーデタで政権をとったG.バルガスは国家主義的政策を推進し,外国人に対しては同化主義を強力に適用した。1933‐34年には新憲法審議会を主舞台に排日運動が展開され,排日を目的とした移民制限法が成立した。…

【ラテン・アメリカ】より

…20世紀初頭から20年代にかけて,アルゼンチンやチリやウルグアイでは,メキシコのような革命という爆発的なかたちをとらずに,漸進的ながらも中間層による政治権力への参加や労働者階級の地位の向上を実現していった。30年代初めの世界恐慌はこの地域の諸国の経済に甚大な打撃を与え,その後,アルゼンチン,ブラジル,チリ,メキシコなどは輸入代替の工業化政策をとるようになり,また,メキシコやブラジル,アルゼンチンではそれぞれ,L.カルデナスG.D.バルガスJ.D.ペロンのもとで30年代から40年代にかけて労働者階級の地位向上のため積極的な政策がとられるようになった。 一方,中央アメリカやカリブ海では20世紀初頭以来アメリカ合衆国がこの地域に積極的に進出し,この地域を自己の勢力圏とした。…

※「バルガスリョサ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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