バルチック艦隊(読み)バルチックカンタイ

デジタル大辞泉 「バルチック艦隊」の意味・読み・例文・類語

バルチック‐かんたい【バルチック艦隊】

バルト海根拠地を置いた、ロシア帝国の主力艦隊日露戦争のときに東洋に回航され、1905年(明治38)5月日本海海戦日本連合艦隊に撃滅された。

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精選版 日本国語大辞典 「バルチック艦隊」の意味・読み・例文・類語

バルチック‐かんたい【バルチック艦隊】

バルト海に根拠地をおく旧ロシア帝国、旧ソ連邦、ロシア連邦の艦隊。日露戦争の際にその主力艦隊が極東に派遣され、明治三八年(一九〇五五月の日本海海戦において日本の連合艦隊に攻撃され全滅した。

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改訂新版 世界大百科事典 「バルチック艦隊」の意味・わかりやすい解説

バルチック艦隊 (バルチックかんたい)

ロシア連邦海軍の主要な艦隊の一つ。ロシアの艦隊中最も長い歴史をもつ。正称はバルト海艦隊Baltiiskii flot。ロシアとスウェーデンとの北方戦争(1700-21)の初期に,ピョートル1世によって創設され,戦争終結時にはバルト海で最強の艦隊となった。1703年,ペテルブルグの建設開始とともに築き始められたクロンシロト(現,クロンシタット)要塞が,後に艦隊基地とされた。04年にはペテルブルグに海軍工厰が置かれ,水兵下士官の養成も始められた。ピョートル1世の死後,一時艦隊建設は中断したが,1760年代以後再び強化され,18世紀末にはロシアは艦船数でイギリス,フランスに次いで世界第3位となった。18世紀から19世紀にかけて,バルチック艦隊はスウェーデンとの戦争でロシアのバルト海沿岸や首都ペテルブルグの防衛に活動,またトルコとの戦争では地中海にも進出した。しかし農奴制ロシアのおくれは艦隊の能力にも影響を与え,クリミア戦争(1853-56)はこのことを明瞭に示した。1861年に甲鉄艦,69年には砲塔艦を建造し,74年には兵役期間の短縮などの改革を行った。そのほか19世紀におけるバルチック艦隊の活動では,世界周航による地理学上の調査を行い,日本を紹介したクルーゼンシテルンなどによる遠洋航海や探検活動でも知られている。日露戦争時に太平洋艦隊応援のため,バルチック艦隊の中からロジェストベンスキー司令長官とする第2太平洋艦隊,さらに第3太平洋艦隊を編成,バルト海から日本海への大遠征を行ったが,対馬沖の海戦(日本海海戦)で敗北した。また基地クロンシタットやスベアボルグなどでは1905年革命による蜂起がおこり,バルチック艦隊は壊滅的打撃を受けた。1917年の革命後,バルト海小艦隊として再発足し,35年バルト海艦隊と改称されたが,第2次大戦後は主役の座を他艦隊(北海,黒海,太平洋)に譲り渡した。
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百科事典マイペディア 「バルチック艦隊」の意味・わかりやすい解説

バルチック艦隊【バルチックかんたい】

黒海艦隊,東洋艦隊と並ぶ帝政ロシア艦隊の一つ。日露戦争中,ロシアの切札としてロジェストベンスキー提督に率いられ東洋艦隊支援に向かったが,日本海海戦で壊滅的打撃を受けた。
→関連項目旅順攻略

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「バルチック艦隊」の解説

バルチック艦隊
バルチックかんたい

ピョートル1世により創設されたロシア帝国最大の艦隊。日露戦争にあたって極東艦隊(太平洋第1艦隊)支援のため,バルチック艦隊のなかから太平洋第2艦隊が編成され,1904年10月リバウ軍港を出発。日本軍により第1艦隊が撃破されたためマダガスカルで増援の第3艦隊を待ち,これと翌年5月に合流,38隻の大艦隊となった。ウラジオストクをめざしたが,日本海海戦で潰滅的な打撃をうけた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「バルチック艦隊」の解説

バルチック艦隊
バルチックかんたい

バルト海(Baltic Sea)に根拠を置いたロシアの主力艦隊
日露戦争に際し極東に派遣されたが,日本海海戦で壊滅的な打撃をうけた。

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世界大百科事典(旧版)内のバルチック艦隊の言及

【パキスタン】より


【住民,言語】
 パキスタンは多民族国家であり,民族と言語集団はほぼ対応している。主要な民族・言語集団の総人口に占める比重は,パンジャービー66%,シンディー13%,パシュトゥーン(パシュト語)9%,バルーチ族%となっている。ほかにウルドゥー語を母語とするものが8%を占めるが,彼らは1947年の分離独立以降移住してきたムハージルMuhajirと呼ばれる北インド出身者が主体である。…

※「バルチック艦隊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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