日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
バーナード(Luther Lee Bernard)
ばーなーど
Luther Lee Bernard
(1881―1951)
アメリカの社会学者、社会心理学者。ケンタッキー州に生まれ、ミズーリ大学で学ぶ。そこで巡り会ったエルウッドの勧めでシカゴ大学へ移り、1910年、同大学から社会学の学位を受ける。ウェスタン・リザーブ、フロリダ、ミズーリ、ミネソタなどの大学で教壇に立ち、さらにセントルイスのワシントン大学(1929~1946)、ペンシルベニア州立カレッジでも教職につく。アメリカ社会学会の会長にも就任(1932)。心理学的社会学とよばれるバーナードのパースペクティブ(視野)の独自性は、環境へのアプローチ、自然的環境と文化的環境に対する適応的行動、共同的適応という視点、生態学の視点、ワトソンらとは異なる行動主義の立場などにある。社会の進歩、精神、態度、社会統制、社会問題など広範にわたる考察があるが、アメリカの社会学教育や社会学史などにも造詣(ぞうけい)が深い。著書に『本能』(1924)、『社会心理学入門』(1926)、『社会学入門』(1942)、妻ジェシーJessie Bernard(1903―1986)との共著『アメリカ社会学の起源』(1943)などがある。
[山岸 健]
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