バーバリーシープ(英語表記)Barbary sheep
aoudad
Ammotragus lervia

精選版 日本国語大辞典 「バーバリーシープ」の意味・読み・例文・類語

バーバリー‐シープ

〘名〙 (Barbary sheep) ウシ科の哺乳類。アフリカ北部の山岳地帯に生息する野生ヒツジ。肩高は雄が〇・九~一メートル、雌はやや小さい。雌雄ともに大きく頑丈な角を持ち、首から背中たてがみがあり、またのどから胸・前肢にかけて、白っぽい長い直毛の房がある。体毛は短く、体色は灰褐色で腹面は白っぽい。岩場にすみ、草を食す。たてがみひつじ。すないろひつじ。

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改訂新版 世界大百科事典 「バーバリーシープ」の意味・わかりやすい解説

バーバリーシープ
Barbary sheep
aoudad
Ammotragus lervia

バーラルと同じくヒツジとヤギの双方に似たところがある偶蹄目ウシ科の哺乳類。モロッコ,西サハラからエジプトスーダンに至る砂漠,半砂漠地帯にある高地分布。体長130~165cm,尾長15~25cm,肩高75~112cm,体重は雄で100~145kg,雌で40~55kg。角は雌雄ともあり,雄のは太く長く70cmほど。体はがんじょうで四肢が短く,ひづめは硬く小さい。角の外形あごひげを欠くことなどはヒツジに似るが,眼下腺のないことや角の断面円形にちかいことなどはヤギに似ていて,ヤギ属に含めることもある。体毛は砂色がかった褐色で,腹面は淡い。首から背にたてがみがあり,のど,胸,前肢に長毛がある。岩山にすみ,暑い日中を岩の間で過ごし,夜間出歩いて草,木の葉,果実などを食べ,水がなくても長期間生存する。ふつう雄1頭に3~20頭くらいの雌と子からなる群れで生活するが,単独のものもいる。夏から秋の交尾期には雄どうしは角をぶつけて闘う。妊娠期間154~161日,1産1~2子がふつうで,寿命は飼育下で20年11ヵ月の記録がある。
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世界大百科事典(旧版)内のバーバリーシープの言及

【サル(猿)】より

…キリスト教が支配的になると,猿は邪悪なもの,悪魔的なものとして忌みきらわれた。しかし,ジブラルタルに移されたバーバリーエイプは,18世紀初めにここを占領したイギリス軍によって幸運のシンボルとされ,今日に至るまで手厚く保護されている。一方,多くの猿を産するアフリカでは,猿を神格化するのがふつうで,古代エジプト人はマントヒヒを聖獣とみなし,死後はミイラにさえした。…

※「バーバリーシープ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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