パキスタキス(読み)ぱきすたきす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パキスタキス」の意味・わかりやすい解説

パキスタキス
ぱきすたきす
[学] Pachystachys

キツネノマゴ科(APG分類:キツネノマゴ科)の低木または草本。熱帯アメリカに5種分布する。温室植物として次の2種が栽培される。ルテア種P. lutea Neesはペルー原産。温室内の地植えでは1メートル以上になるが、鉢植えでは40センチメートルほどで、鉢花として普及している。茎頂に倒心臓形、黄色の包葉十数枚が4列に並び、穂状花序のようにつく。本当の花は白色の唇形花で、この穂状についた包葉から横向きに突き出る。コッキネア種P. coccinea Neesはギアナ原産。低木状で高さ1.5~2メートル。花は枝先に密につき、緋紅(ひこう)色で長さ5センチメートル。

 繁殖挿木による。越冬には5℃を要する。

[植村猶行 2021年10月20日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パキスタキス」の意味・わかりやすい解説

パキスタキス
Pachystachys lutea

キツネノマゴ科の1属で6種から成るが,園芸的には普通パキスタキス・ルテアをさす。メキシコからペルーにかけて自生する亜低木。高さ1~1.5mになる。葉は長さ 10~15cm。長披針形で対生する。茎頂につく花穂は長さ8~12cmで,黄色い倒心臓形の包が縦4列に整然と並ぶ。その間から長さ3~5cmの白い筒状花が横に飛出すように咲く。包は長期間枯れずに残り,濃緑色の葉との対比が美しい。直射光を好むので,春から秋にかけてはなるべく戸外でよく日に当てる。5℃以上で越冬し,15℃以上で周年開花する。

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