パトレ(英語表記)Pátrai

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パトレ」の意味・わかりやすい解説

パトレ
Pátrai

パトラ Pátraともいう。古代ギリシア語読みではパトライ Patrai。ギリシア,ペロポニソス半島北西部の都市。パトライコス湾にのぞむ港湾都市で,同半島の主要港として,干しぶどう,たばこ,オリーブ,オリーブ油イチジクシトロン,ワイン,ブランデー,皮革などを積出す。アロエ,アンテイア,メサティスが連合してできたといわれる古代都市パトライは,現在地よりやや内陸に位置しており,アカイアの 12都市の一つとして発展。ミケーネ時代の墳墓がこの地域から発見されている。ペロポネソス戦争ではアテネを支持。前 280年頃反マケドニアのアカイア連盟結成に際しては大きな役割を果した。アクチウムの海戦 (前 31) 後ローマ人が入植,3世紀頃まで商業都市として繁栄。ビザンチン時代には絹織物で知られた。 15世紀以降はベネチア,オスマン帝国に交互に支配された。ギリシア独立戦争は 1821年この市で始り,28年トルコ人が市を撤退する際,市街が焼き払われた。現在の碁盤目状の市街はその後再建されたものである。市街を見おろす古代のアクロポリスにはビザンチン,ベネチア,オスマン帝国とその主をかえた要塞が残っている。アテネ,カラマタ両方面へ鉄道が通じる。人口 14万 2163 (1981) 。

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百科事典マイペディア 「パトレ」の意味・わかりやすい解説

パトレ

ギリシア南部,ペロポネソス半島北岸,コリントス湾口に面する港市で,ギリシア第4の都市。古代名パトラスPatras。商工業中心で,ブドウ,オリーブ油などを輸出食品加工綿織物タイヤなどの工業が盛ん。イタリア行きフェリーの発着港。初期キリスト教布教の中心であり,1821年ギリシア解放戦争発端の地。19万5265人(2011)。

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