パラホルムアルデヒド

化学辞典 第2版 「パラホルムアルデヒド」の解説

パラホルムアルデヒド
パラホルムアルデヒド
paraformaldehyde

HO(CH2O)nH.パラホルムともいう.ホルムアルデヒドの直鎖状重合物のこと.一般にホルムアルデヒド水溶液真空濃縮でつくられる.また,水溶液中に少量の水酸化カリウムを加えることでもつくられる.ホルムアルデヒド臭をもつ白色固体融点120~170 ℃.アセトンに不溶,冷水に難溶であるが,微量の酸または塩基の存在下で水に可溶.殺菌,消毒剤のほか,高濃度または安定剤であるメタノールの存在しないホルムアルデヒド水溶液を調製するのに使われる.劇薬

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「パラホルムアルデヒド」の意味・わかりやすい解説

パラホルムアルデヒド
paraformaldehyde

パラホルムともいう。 HOCH2O(CH2O)nCH2OH あるいは (CH2O)n・H2O で示されるホルムアルデヒドの重合体。ホルムアルデヒドの水溶液を濃縮するときに生成する白色結晶状粉末。融点 121~123℃。歯科用殺菌消毒薬,殺菌用薫蒸剤に用いられる。

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世界大百科事典(旧版)内のパラホルムアルデヒドの言及

【ホルムアルデヒド】より

… (HCOO)2Ca―→HCHO+CaCO3重合を起こしやすく,無水のホルムアルデヒドは室温で容易に重合し,環状の三量体トリオキサンとなる。また水溶液を蒸発乾固すると,重合物パラホルムアルデヒドHOCH2O(CH2O)nCH2OHとなる。トリオキサンは硫酸などと加熱すると,容易にホルムアルデヒドに分解する。…

※「パラホルムアルデヒド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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